帯広畜産大学大学院 廣瀬純子

 オーストラリアミートジャッジング競技会(ICMJ)に参加して、一生思い出に残る、濃密な10日間を過ごすことができました。

 オーストラリアに到着してからというもの、巨大なFeedlot Farmや山のように積み上げられた飼料、流れ作業でトリミングされていく肉、手のひらよりも大きなステーキ…と、毎日驚くことばかりで、日に日に世界が広がっていくように感じました。

 大会中の講義で最も印象的な内容の一つに「日本人は良い肉(格付けの高い肉)に対して、通常より約3倍高い金額を支払ってもよいと考える」というアンケート結果があります。この値は他国より突出して高く、良質の国産農産物の生き残りの可能性が考えられましたが、一方で、日本の市場において海外から質で勝負された時に備え、独自性も兼ね備える必要があると感じました。そして何より、周りの学生の講義中の真剣な眼差しと質問の嵐!見習うべきこと、参考になる情報が盛りだくさんの有意義な時間でした。

 競技では、枝肉をジャッジするときの考え方を日本からオーストラリアへと、自分の頭の中でシフトすることに最後まで苦労しましたが、結果としてJAPAN TEAM代表でSpeaking Classに出場することができました。自分の出番が来た時のこの上ない緊張感と、言葉が出なくなってもあたたかく見守ってくれた仲間のことを忘れることができません。

 最後になりますが、ICMJ出場にあたりJAPAN TEAMを支援してくださった皆さまには心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました。この貴重な経験を、後輩はもちろん、今後仕事で関わる多くの方々に伝えていきたいと思います。